集束超音波(MRgFUS)
集束超音波治療
MRgFUS: magnetic resonance-guided focused ultrasound
あるいは
HIFU: high-intensity focused ultrasound
メスを使わない手術。MRgFUS, FUS, HIFUと略して呼ばれます。MRIでリアルタイムに治療ターゲットの位置と温度をモニタリングしながら、約1000本の超音波を一点に集束させて患部を熱凝固する治療です。2016年12月、本態性振戦の治療用医療機器として薬事承認を受け、新規の治療法として注目を集めました。その後、本態性振戦、パーキンソン病に対し保険承認されました。MRgFUSでは、皮膚切開を伴わず、標的部位のみを熱凝固するので、侵襲性が低いことが特徴です。


緑の筋一本一本が超音波の通り道
集束超音波治療により、ふるえが止まる様子
MRgFUSの長所
- 皮膚を切らず、頭の骨に穴を開けるといった手術操作が不要です。保険が適用され、高額療養費制度もご利用できます。
MRgFUSの短所
- 治療当日、髪の毛を剃る必要があります(医師が剃毛します)。
- 頭蓋骨密度が低いと温度が上がりにくい場合があります(事前の検査で確認します)。
- FUSは生涯で1回のみ、片側しか保険適用されないため、左右両側に症状がある場合、反対側は別の治療法または自費診療を選択する必要があります(高周波熱凝固術や脳深部刺激療法は、回数制限なく保険適用されます)。